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カサンドラ症候群かも 周囲の無理解、孤立も(2020年2月9日配信『大阪日日新聞』)

 「私、カサンドラ症候群かもしれない」-。こう自分の状態に気付く妻たちが少なくないという。配偶者の発達障害による特性が原因になり、そのパートナーに引き起こされるうつ状態の一種だ。「たいしたことはない」と家族や友人にも理解されにくく、孤立することも。社会的な認知度も高いとは言えず、啓発や支援の輪の広がりが必要とされている。

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これまでの歩みと胸の内を語る安喜さん

 「これやったんや」。大阪府内に住む40代後半の安喜蓮華(あきれんげ)さん。不可解な行動が多かった夫が発達障害ではないかと思い当たったという。普段は穏やかで優しいが、思い通りにならないとパニックを起こしたり、激高することがあった。

 直してほしいと夫に伝えると「おまえの方がおかしいねん!」。身体的暴力やモラルハラスメントと呼ばれる精神への暴力もあり、安喜さんはうつ状態に。過呼吸の発作に原因不明の全身のじんましん…。住んでいたマンションのベランダの手すりから身を乗り出したことも一度や二度ではなかった。

 苦しさに輪をかけたのが周囲の無理解だった。親や友人に話しても「男はそんなもんや」と相手にされなかった。心身を病みながらも生真面目な性格のため、結婚生活を破綻させてはいけないとの思いが安喜さんを縛り付けた。

 だが夫の特性は変わらず、生活費も十分に渡されなくなり、糸がぷつりと切れた。家庭裁判所での調停を経て離婚し、20年近い夫婦生活に終止符を打った。

 昨年、同じ悩みを持つ妻たちを支援する「カサンドラ・サポートセンター」を立ち上げ、公式ホームページも開設。今年2月から対面相談の申し込みを受け付けている。発達障害や心理学などの専門知識を学び、現在は人間関係にも恵まれている。

 安喜さんは「しんどい時期をくぐり抜け、今は幸せな日々を送ることができている。苦しんでいる人にも『いつか幸せになれる日が来る』と希望を持ってもらいたい」。

抜け出すためのポイントは三つ

 心身を疲弊させるカサンドラ症候群。安喜さんによると、夫たちは外では「定型発達者に見える鎧(よろい)」をまとっているが、家では脱いで素の自分に戻る。これにより妻のみが振り回され、周囲から理解が得にくい状況を生んでいるという。ただし、注意すべき点として「発達障害のある夫が悪いのではないし、妻の真面目さが悪いのでもない。夫婦のミスマッチから生じる問題」と指摘する。

 その上でカサンドラ症候群から抜け出すためには何が必要なのか。安喜さんによるとポイントは三つある。まず自分の人生を俯瞰(ふかん)し、残りの人生をどう過ごしたいかを明確にする。二つ目が自己犠牲をやめ、世間の価値観に振り回されず自分を大切にする。最後は幸せになるために、自分自身が変わる意識を持つことだという。

 カサンドラ症候群 配偶者の発達障害の特性が原因となって、そのパートナーが陥るうつ状態の一種。正式な病名(診断名)ではなく、状態を表す名称。ギリシャ神話に登場するカサンドラという悲劇的な王女の名前に由来している。きちょうめんで人に気遣いができる人のほか、自己肯定感が低い人などもなりやすいという。




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