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「障害ない子と一緒に」 先天性疾患の静岡市・鈴木君 小学校へ…母の願い(2020年2月13日配信『東京新聞』-「静岡版」)

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ストレッチャーに寝て、教室で授業を受ける鈴木大斗君=静岡市葵区の松野小学校で

 染色体異常の一種「18トリソミー」の先天性疾患がある鈴木大斗(やまと)君(8つ)=静岡南部特別支援学校2年、静岡市葵区=の教育を巡り、一般学校に在籍させたいと望む保護者の願いに、静岡市教委は応えられないでいる。「障害を理由に学ぶ機会を失わせたくない」という親心と、「障害児を受け入れる体制が整っていない」とリスクを訴える市教委。重度障害児の教育はどうあるべきか。 

 18トリソミー患者の半数は生後1週間以内に死亡し、一歳まで生きられる子は10%とされる。大斗君は身長105センチ、体重は10キロほどしかなく、身体障害者手帳は1級。人工呼吸器をつけ、寝たきりの生活で言葉は話せず、手足も自由に動かせない。普段は母・巳知代さん(43)がつきっきりで看病する。

 「大斗が今まで生きていられるとは思わなかった」と巳知代さんは言う。「地元の同級生に存在を知ってほしい。地域の一員として生きた証しを残したい」と3年前、地元の市立松野小学校に入学を希望した。

 松野小には特別支援学級がなく、障害児教育の専門教員が在籍していないなどの理由で、認められなかった。

 現在は週2回、特別支援学校の教員が自宅訪問して授業を受ける。「地域との交流」の要望に応えようと市教委は、音楽会などの行事や週に1回、松野小への登校も認めた。

 登校時は、看護師が付き添い、体温や人工呼吸器の酸素量を常時確認。教室の片隅にベッドや車いすを置いて、大斗君は授業に出る。同級生との距離も近づき、休み時間に話し掛ける児童もいる。登校日に大斗君はよく笑うようになった。

 巳知代さんは「障害を理由に社会のコミュニティーから外されない選択肢をつくってほしい。大斗の可能性を狭めたくない。障害がない子どもと、できるだけ長く同じ環境に置かせてほしい」と話し、特別支援学校から、松野小への転校を望む。

 国は2010年に障害者と健常者がともに学ぶ「インクルーシブ教育」の理念を打ち出した。

 静岡市は30年までに、本人や保護者の希望に応じて障害の有無を問わず平等な教育環境を整えるとの政策目標を掲げている。市教委特別支援教育センターの渡辺俊夫課長は「すぐに受け入れは難しい。家族の思いも踏まえ、感染症や事故に巻き込まれないようぎりぎりの判断をしている」と話す。




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