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児童虐待/通告生かし被害食い止めよ(2020年2月13日配信『福島民友新聞』-「社説」)

 2019年に児童虐待を受けた疑いがあるとして、県警が児童相談所(児相)に通告した18歳未満の子どもは前年比311人増の1144人(暫定値)、摘発件数は同14件増の30件でいずれも過去最多となった。全国の通告、摘発も過去最多となっている。

 県警は通告の増加は、児童虐待への関心の高まりにより、近隣住民からの通報が増えていることが要因の一つと分析している。また、どちらかの親が子どもの前で配偶者に暴力を振るうなどする「面前ドメスティックバイオレンス(DV)」を含めるなど対象範囲を徐々に広げていることも影響しているとみている。

 県警や児相には、虐待を一件でも多く減らせるよう、通告の一つ一つを虐待の深刻化を食い止める契機として、事案に適切に対応していくことが求められる。

 通告は、面前DVを中心とした心理的虐待が同285人増の938人で最も多く、全体の8割を占めた。面前DVは自分を大切にする自己肯定感などを損ない、子どもの成長に大きな影響を及ぼすことが懸念される。県などは、心理的な苦痛を与えることは重大な虐待であることの啓発に力を入れてほしい。

 子どもの安全確保に向けて欠かせないのが、警察と児相の連携だ。ただ、県外では、虐待を受けた子どもの一時保護を巡り、警察と児相で判断が食い違うなどの課題が指摘されている。

 本県では本年度から県警が各児相に警察官などの派遣を始めた。県や県警によると、派遣により、児相側と警察側の意思疎通がスムーズになり、危険度や緊急度の判定もスピードアップしている。また、高圧的な親への対応など、警察のノウハウが生かされる場面が多いという。

 児相と県警は、職員派遣の成果と課題を検証し、子どもの安全を最優先にした協力体制の構築を進めることが大切だ。

 県議会は2月議会に県子どもを虐待から守る条例案を提出する。条例案には、子育て家庭を地域で見守る体制づくりや、関係機関の連携により虐待の早期発見に努めることなどが盛り込まれている。

 福島大の渡辺隆教授(臨床心理学)は、児童虐待の多くは保護者の経済的困窮がきっかけになっていると指摘する。

 条例案が可決されれば、児童虐待の防止施策の推進に向け、県の基本計画が策定される。計画には直接的に虐待防止に関わる施策に加え、子育て世帯への総合的な支援を盛り込むことが必要だ。




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