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発達障害の初診、予約取るのに半年待ち 三重県が小児科医の育成へ(2020年2月19日配信『朝日新聞』-「三重版社説」)

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初診の予約が取りづらい状態が続く三重県立子ども心身発達医療センター=津市大里窪田町で

 発達障害の子どもを診療する三重県立子ども心身発達医療センター(津市)の児童精神科で、初診の予約が取りづらい状態が続いている。1月から始まった新年度の予約は既に9月上旬まで埋まった。県は常勤医を増員したものの需要に追いついていない。新年度は発達障害を診察できる地域の医療機関を増やすため、小児科医の育成などを進める。

 センターは発達障害や身体障害のある子どもたちの病院や特別支援学校を一体化し、2017年6月に開設した。児童精神科の初診は現在、週5日で19人を受け付けている。同科は開設当初から、1月に始める次年度末までの初診予約が夏ごろには埋まってしまう状況が常態化していた。

 17~18年度、児童精神科のある県内の病院四カ所が、担当医の高齢化などで閉院したり、初診の受け付けを停止したりしたため、センターに予約が集中しているという。

 さらに発達障害に対する保護者世代の関心の高まりも要因とみられる。乳幼児健診で言葉の遅れや落ち着きのなさなどを指摘され、インターネットなどで調べて早期の診察を求める人が増加。最も多いのは小学校低学年で、集団生活や学習といった環境の変化になじめない子どもの様子に不安を感じる保護者がセンターに来るという。

 一方で、県子育て支援課の担当者は「必ずしもセンターでの治療が必要のない子どもも来ている」と指摘する。症状が重度ではなく、教育機関や療育施設での支援が適切と判断される子どもたちだ。

 県は保育所や幼稚園では、発達に課題がある子どもを早期に発見し、支援につなげる「チェック・リストin三重(CLM)」を導入している。CLMで治療が必要と判断されれば、センターでの診察につなげる一方、そうでない子どもには保育所や療育施設で個別に支援する。

 この取り組みのおかげで、保育・幼稚園児の初診は減少傾向にあるという。ただ、対象でない小学生以上をいかに適切な支援につなげるかは課題として残ったまま。県は19年度、三重大病院などから医師を集め、児童精神科の常勤医を7人から10人に増員したが、予約が取りづらい状態はあまり改善していない。

 新年度予算案には対応事業として581万円を計上。小児科医を対象に発達障害児の診察を学ぶ研修を開き、地域の医療機関で初診を受け入れる体制を整える。症状が軽い子や服薬管理のみの子はセンター以外で対応するなど役割分担も図る。県子育て支援課の担当者は「地域にネットワークをつくり、状況を改善したい」と話した。



センター長からのご挨拶  センター長  金井 剛 (かない つよし)
 
 《プロフィール》

1983年 群馬大学医学部卒業
神奈川県立こども医療センター、横浜市立大学病院精神神経科、関東労災病院神経科、公立学校共済組合関東中央病院神経科、西横浜国際総合病院神経科に勤務
1993年 横浜市立大学病院小児精神科勤務
2001年 横浜市中央児童相談所医務担当課長
2007年 横浜市こども青少年局担当部長(中央児童相談所医務担当課長)
2014年 横浜市中央児童相談所長兼務
2016年 三重県立小児心療センターあすなろ学園長に就任
2017年6月 三重県立子ども心身発達医療センター長に就任

 センター開設以来、児童精神科の初診受付を毎年夏にはいったん閉じる状況が続いております。入院待機も数十人という事態が常態化しています。利用者はもとより、関係諸機関にも多大なご迷惑とご心配をおかけしております。来年度の医師勤務体制が定まった時点で受付を再開いたします。大変申し訳ありません。

 当センターの基本理念である『子ども一人ひとりが、その子らしく豊かな人生を送るために』は、子ども中心であること、一人ひとりの違いに丁寧に向き合うこと、その子の過去から未来に向けての人生を思い描きながら治療を行うこと、その三点を職員一同が常に念頭に置くことを目指して掲げられました。

 その実現のために、センター開設後2年が経過した今、改めてビジョン会議を開き、今後の5~10年を見据えたセンターの機能と役割について、若手が作成したビジョンをもとに、各部署の責任者が中心となり議論しています。

 あすなろ学園や草の実リハビリテーションセンターで培われてきた伝統の、何を継承し、何を変えていくのか、合理的かつ組織的に治療を進めるためには、どのような組織や機能が必要なのか等を模索しています。

 その際に「子ども中心」という考えに加えて、「専門病院としての足元をもう一度見直し強化する」「県民に可能な限り病棟にサービスがいきわたるよう、地域を支援し地域を育てること」を目標にビジョンを形成していきます。

 これまでにも、限られた人員で効率よく治療が行われるよう、病棟のチーム構造を変えました。利用者の一部にはご負担をおかけしましたが、リハビリの治療成果の明確化と利用年齢の引き下げを行い子どもへのサービスの強化を図りました。

 地域で子どもたちが平等かつ必要時に速やかに支援や治療を受けられるよう、専門職員の派遣を継続し、今年度には発達障害に関する連続講座を小児科医向けに開催し、地域の専門家養成に寄与していく予定です。

 子ども心身発達医療センターが「センター」と名付けられた意味を噛みしめつつ、職員が一丸となって今後も日々の業務にあたるよう務めます。引き続いてのご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

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Author:gogotamu2019
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