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雨水(うすい) 2月19日

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 雨水(うすい)は、二十四節気の第2。 現在広まっている定気法(ていきほう)では太陽黄経が330度のときで、立春から数えて15日目ごろの2月19日ころから啓蟄(けいちつ)の3月4日から5日ころまで。

 空から降るものが雪から雨に変わり、氷が溶けて水になる、という意味。草木が芽生える頃で、昔から、農耕の準備を始める目安とされてきた。また、春一番が吹くのもこのころ。

 しかし、本格的な春の訪れにはまだ遠く、大雪が降ったりもし、実際は、三寒四温(さんかんしおん)を繰り返しながら、春に向かっていく。

 なお、三寒四温とは、中国北部や朝鮮半島の冬の気候を表す言葉で、後に日本に伝わった。寒い日が3日ほど続くと、その後4日間ぐらいは暖かいということ。これを繰り返しながら、だんだん暖かくなり、春へと向かう。



雨水の頃(2020年2月19日配信『北海道新聞』-「卓上四季」)

「二月、雨水(うすい)の頃、/京都賀茂川の葵橋を渡っていて、/思わず、立ちどまった」。福島県出身の詩人、長田弘さんの「賀茂川の葵橋の上で」の一節だ

▼風はまだひどく冷たいが、近くの山際には、かすかな萌黄(もえぎ)色がにじむ。こんな風景を眺めながら、詩人は、タクシーの運転手がふと漏らした言葉を考えた。「梅の開花が遅れとるようやけど、言うても、梅のことやさかい、時季がくると、それなりに、そこそこは咲きよるけどな」

▼二十四節気の雨水に律義に花を付ける梅。東日本大震災の惨事を経ても、昔と同じく季節は移り変わっていく。この季節感が自分を支えてくれていることに、長田さんは気づいたという。「希望というのはそういうものだと思う。/めぐりくる季節は何をも裏切らない」

▼きょうは雨水。雪が雨に変わり、氷が解けて土を潤し、農耕の準備をする目安とされる。「落ちてゐし種子ふくらめる雨水かな」(滝沢伊代次)

▼今週初めは寒気の影響で北海道はもちろん、既に春一番が吹いた西日本も含む広範囲で雪が降った。雨水は三寒四温の始まりとも言われる。2月に入って暖冬の道内は雪不足を埋め合わせる大雪に見舞われる一方、4月並みに気温が上昇した。激しい振幅に、気候変動の影を見る人もおられよう

▼冬が過ごしやすいに越したことはないが、めぐりくる季節は決して裏切らぬ希望であり続けてほしい。

雨水(2020年2月19日配信『日本経済新聞』―「春秋」)

きょうは二十四節気の雨水――などと書くとき、ふと迷う。雨水は「うすい」と読むのだが、振り仮名(ルビ)は要らないか、「あまみず」と読まれやしないか。そもそも「二十四節気」だって若者には難しかろう。漢字の読みというものは、つくづく厄介なのである。

▼とんだトラブルも引き起こすようだ。「香水のかおり床(ゆか)しきねやのうち」。戦前の話だが、作家の久保田万太郎がラジオ番組にこんな文言のある台本を用意したところ、当局がワイセツだから放送をやめよと言ってきたという。「床しき」を「とこしき(床敷き)」と読んだらしい。戸板康二さんがエッセーに記している。

▼昨今こういう珍事は起きまいが、10年前に改定された常用漢字表は、以前に比べて196字も追加された。書けなくても読めればいい、読んで漢字に変換できればいいというデジタル時代ならではの考え方が背景にある。「淫」とか「艶」とか「恣」とか、昔の検閲官だったら顔色を変えて飛んできそうな字も学校で習う。

▼文化審議会ではいま、「障害」の表記を「障碍」に改めるかどうかの議論が続いている。印象の良くない「害」よりも、戦前に主流だった「碍」を使おうという動きだ。しかし変更されたら、当分は大変だろう。そういえば「雨水」の次は「啓蟄(けいちつ)」。土の中から虫が出てくるイメージからか「けいつち」という誤読もある。



ほうれん草のおひたし(2020年2月19日配信『高知新聞』-「小社会」)

 昔から会社や組織が健全に動くには、部下から上司に向けた報告や連絡、相談、つまり「ほうれんそう」が大事だといわれてきた。近年はこれに「おひたし」がつくらしい。
 
 経済誌などを参考にすると、「おひたし」は「ほうれんそう」を受けた上司の側が心がけるべき行動になる。「お」は怒らない。相手を思って注意はしても、感情的になってはいけない。「ひ」は頭ごなしに否定しない。若手の意見を聞いた上で自分の意見を伝える。
 
 「た」は助ける。いきなり手を貸すのではなく、悩みや困ったことがあった場合に適切にサポートする。「し」は指示する。部下が自発的に考え、上司に伺いを立てやすい空気をつくりつつ、具体的かつ的確に指示を出す。
 
 政府の調べでは、大卒者のうち就職後3年以内に仕事を辞めた人は近年、3割強で推移している。人手不足が進み人材争奪戦が激化する中、採用ばかりでなく「定着」も議論の的になるべきだ、と問い掛ける専門家もいる。
 
 今の管理職はバブル世代や団塊ジュニアが中心。同期が多く、おひたしとは逆の「見て覚えろ」という指導を受けた人も多いだろう。同じ指導を若者にやれば今やハラスメントが問題になる。かといって、気を使うばかりでは若手の成長を妨げる。あんばいは難しい。
 
 きょうは二十四節気の「雨水」。雪や氷が解けて水になるころとされる。夢を抱えた新社会人と向き合う暖春も近い。 



春告魚(2020年2月19日配信『佐賀新聞』-「有明抄」)

 本紙の釣り欄(毎週木曜日付)にメバルの名前をちょくちょく見かけるようになった。目が大きいので目張と書くが、これからの季節を代表する魚として「春告魚」の別名で知られる。藻エビなどを餌に釣り人は小気味よい引きを楽しむ。煮付けにすると美味である

◆〈冴(さ)え返り冴え返りつつ春なかば〉西山泊雲。少し暖かくなりかけたと思うと、また寒さがぶり返すことを指す言葉に「冴返る」がある。急に寒くなって雪が降ったり、激しい雨にたたられたり。ここ数日は「冴返る」を実感した

◆歳時記によると春は初春、仲春、晩春の三つに区分され、このうち初春を示す言葉には多彩な表現がある。寒さの中にわずかに春の気配を漂わせる「浅春(せんしゅん)」、立春を過ぎ、春になった意識が強い中での寒さを「春寒(はるさむ)」。「余寒(よかん)」は春の衣服に着替えてから思わぬ寒さがやってくることを言う。なんとも日本人らしい繊細さである

◆ところが今年は新型コロナウイルスの騒動で、こんな風情も吹っ飛んだ。国内初の死者や感染経路のはっきりしない感染者が確認され、イベントの中止も相次いでいる。先の読めない不安が増幅して、収まる気配がない

◆きょうは二十四節気の一つ「雨水(うすい)」。降る雪が雨に変わり、土が潤い始める。暖かくなれば騒動も収束へ向かうのか。本格的な春の訪れが待ち遠しい。




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