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江戸城のいじめ(2020年2月25日配信『宮崎日日新聞』-「くろしお」)

 江戸城警備などを担当する書院番の伝統的いじめとして知られているものがある。紋付きの紋を墨で塗りつぶす。弓の射場で手元が狂ったふりをして鼻先に矢をかすめさせる。刀のさやに火箸で穴を開ける。

 いじめられた新参者が引き起こした刃傷沙汰があった。被害者は33歳の旗本松平外記(げき)。古参の連中が外記の弁当を盗んで食べ、馬ふんを詰めた。外記は抗議したがしらを切られ、横を向いて笑われ、さらに愚弄(ぐろう)された(野口武彦著「大江戸曲者列伝 太平の巻」)。

 神戸市立東須磨小の教諭複数が同僚をいじめていた問題で、調査委員会は激辛カレーを食べさせるなどの他にも暴行や暴言など目を覆いたくなるような嫌がらせがあったことを認定する報告書を公表した。同市教育委員会は報告書に基づいて月内に関係者を懲戒処分する。

 報告書によると、被害者は20代の男女4人。日常的に「くず」とか「死ね」などと暴言を浴びせられる、金づちで指を打たれるなどの被害があったという。被害者のひとりから懇親会の欠席を伝えられた前校長が「おまえ、おれを敵に回していいんか」と発言していたこともハラスメントと認めた。

 弁当に馬ふんを詰められた外記は古参番士に斬りかかり数人を死傷させ、その場で切腹した。生き残った者に改易など重罰が下ったのはいじめが罪と認定されたからだ。許されない行為と児童に教えるため加害教諭の処分も江戸城の判断に倣って当然である。



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出版社からのコメント
大名、お妾、儒者、遊女…
金銭、愛欲、出世欲……

奇人変人 百花繚乱!

歴史はゴシップに満ちている。

内容(「BOOK」データベースより)
 出世になりふり構わなかった学者、イヌを食えといった町奉行、文化のパトロンになった汚職官僚、江戸城内のイジメ、ぶらぶら遊び暮らす幕末のパラサイト、災害速報で売り出した男…など四十五人。太平の世にもリスクはある。当人たちが大まじめに生きる姿は、傍目にはコミカルで、かつ物悲しい。歴史の素顔はゴシップに宿る。江戸時代二百五十年を“陰の声”で綴った無類に面白い人物誌。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
野口/武彦
 1937(昭和12)年東京生まれ。文芸評論家。早稲田大学文学部卒業。東京大学大学院博士課程中退。神戸大学文学部教授を退官後、著述に専念する。日本文学・日本思想史専攻。

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Author:gogotamu2019
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