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神戸教員いじめ報告書 信頼の回復へ再発防止に全力を(2020年2月26日配信『愛媛新聞』-「社説」)

 子どもたちにいじめをしないよう指導し、いじめを防ぐべき教育現場で、教員間に人権を軽視する暴力や暴言が横行していた事実が改めて示された。あってはならない事態だ。

 神戸市立東須磨小学校の教員が同僚をいじめていた問題で、弁護士による調査委員会が報告書を公表した。30~40代の教員4人が、欠勤に追い込まれた男性教員ら20代の4人に対し、激辛カレーを食べさせるなど計125項目の嫌がらせ行為をしたと認定している。

 「くず」「死ね」などと暴言を吐く。プロレス技を掛ける。かばんに空き瓶を入れ、机の上にごみを置く―。男性教員は日常的に職場でこうした被害を受け「筆舌に尽くし難い苦しみを被った」という。

 教育者らしからぬ人権意識の欠如、それを容認する学校の事なかれ主義には強い憤りを覚える。関係者や市教育委員会は事態を重く受け止め、失墜した信頼の回復へ再発防止に全力を挙げなければならない。

 報告書は、いじめの主な原因は加害教員らの個人的資質にあると指摘。加害の事実に気付かず、被害者側が苦痛を隠しながら関係性を続ける子どものいじめと同じ構造だと断じた。加害教員らは学校のリーダー的存在だった。その立場をはき違えた言動で、後輩のみならず児童の心を傷つけたことは許されず、厳正な処分が求められる。

 学校の歴代管理職の責任も大きい。報告書によると、前校長の言動が威圧的で相談しにくい環境だったほか、職員室の雰囲気が悪かった。現校長も市教委への報告が遅れ、こうした対応がハラスメントを助長した。市教委にもハラスメント研修や相談窓口に不備があった。

 報告書の内容からは個人の資質に加え、学校や市教委の体質が重なって問題が悪化した構図が浮かび上がってくる。再発防止には、この構図全体にメスを入れる必要がある。

 まずは人権やハラスメントへの意識向上へ、実効性のある研修の導入が欠かせない。組織面の改革としては、市教委は弁護士や市教委OBらに学校を回らせて情報収集や指導を強めるという。学校の閉鎖性を改善する狙いだが、現場を萎縮させては本末転倒だ。地域などとの交流を活発にさせて、風通しの良い職場にすべきだ。

 東須磨小は若い教員が多く、多忙でハラスメントに気付かないか、気付いても他人に構う余裕がない状況だったとも報告されている。人員配置や長時間労働の見直しなどを進め、教員の負担を軽減することが、ハラスメントを生みにくくするとともに、見て見ぬふりをしない環境づくりにもつながろう。

 報告書が指摘した「教員間の確執と一体感の欠如」はどの学校でも起こり得る。教員間でいじめが横行する職場では、子どもが安心して学べない。問題を人ごとにせず、社会全体で対応を考えなければならない。




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Author:gogotamu2019
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