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延びる寿命 増える病気… ペット保険で治療備え(2020年2月27日配信『東京新聞』)

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最新のCTの前で犬の検査準備をする職員たち=岐阜市柳戸の岐阜大学動物病院で

 愛犬や愛猫は大切な家族なので、病気になったら十分な医療を受けさせたい。そう考える飼い主は多いのでは。飼育環境やエサなどの影響で寿命も延び、病気になるリスクも増える一方、すべて自費診療で治療費は高額になりがちだ。負担を減らせる「ペット保険」が注目されている。

 愛知県内の主婦(48)は、愛犬のボストンテリア(10歳)の高額な治療費に頭を抱える。昨年末に、尻尾に近い部分に直径5ミリほどのおできができ、動物病院でがんの「肥満細胞腫」と分かった。

 採血やエックス線、超音波、大学での病理検査などで10万円近く支払った。治療はステロイド剤の投薬から始めたが、抗がん剤も併用するように。通院は2週間に一度。治療費は薬代を含め月2万円以上かかる。

 「何とか治してあげたい」と思うが、2人の子どもの大学受験で、出費がかさむ。飼い始めた子犬のころは毎月約2500円の掛け金で、治療費の半額が出るペット保険に入っていたが、ほとんど使わず2年で解約。「続けた方が良かったのかな。今は正直、負担が大きい」と話す。

 業界大手「アニコムホールディングス」(東京都新宿区)がまとめた「家庭どうぶつ白書2019」によると、2017年度の犬猫の平均寿命は、犬が14・0歳、猫が14・2歳。10年で犬は0・7歳、猫は0・5歳延びた。人間に換算すると、犬は約4~5歳分、猫は3~3・5歳分だ。

 年を取ると、病気のリスクは高まり、治療費は高騰する。同社によると、犬の年間治療費の平均は6万5872円。10歳を超えると、年間10万円以上かかる。猫も10歳以降は同5万円以上かかる。

 ペット保険は飼育動物が対象で、損害保険会社などが販売。多くが犬猫で、調査会社の富士経済(東京都中央区)によると、18年の契約件数は168万件。加入率は1割弱だが、ここ数年は契約件数は毎年1割以上増えており、21年には230万件に達するとされる。

 主なプランは通院、入院、手術を合わせた「総合型」と、入院と手術のみを補償する「手術特化型」で、多くは1年契約。治療費の5~7割が補償されるものが多い。ただ、去勢や避妊など対象外の手術もあるので注意が必要。補償額や通院入院日数に上限が設定されていることも多いため、契約内容はよく確認する。

 保険金は基本的に、全額を支払った上で後日に領収書を添付して請求する。保険会社と提携した病院も増えており、保険証を見せれば、自己負担分を支払うだけで済む場合も多い。

 保険料は種類や補償内容、加入年齢などによりさまざま。かつては加入年齢を制限する場合が大半だったが、最近は10歳前後の高齢でも入れる保険もある。

 保険比較サイト「価格・com保険」を運営するカカクコム・インシュアランス(東京都港区)が昨年、保険を契約した960人に実施したインターネット調査によると、保険料の平均は年額4万9789円。月額は4149円だった。

◆高度な医療 浸透

 ペット医療の現場は近年、磁気共鳴画像装置(MRI)やコンピューター断層撮影(CT)を使った診断が広まるなど、高度化が進む。がんなど治療の難しい病気では、人間同様の放射線や抗がん剤などによる治療が浸透。岐阜大学動物病院(岐阜市)の神志那(かみしな)弘明副院長(48)は「機器も治療も発展が著しく、治せる症例は増えている」と話す。

 一方、高度な治療になるほど費用も高額化しており、保険に入っていたとしても負担は少なくない。

 ただ、高額な治療をすれば必ず治るというわけではなく、神志那副院長は「飼っている動物が病気になった時に、どこまでの治療を望むのかということを日頃から考えておくことが大事。セカンドオピニオンも視野に入れ、納得のいく治療を探して」と指摘する。



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