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【東日本大震災9年】障害者の状況知って 映画「星に語りて」全国で上映(2020年3月2日配信『産経新聞』)

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映画「星に語りて」のワンシーン。中央は大前慧さん?きょうされん

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「たくさんの人に映画を見てほしい」と話す大前慧さん

 3月11日で発生から9年となる東日本大震災で、被災した障害者たちを描いた映画「星に語りて~Starry Sky~」がある。必要な配慮を受けられず避難所にいられなくなったり、自宅で孤立したり…。そんな苦境が、外部からの救援や地域の助け合いで少しずつ改善に向かっていく。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために現在は多くの上映会が中止となっているが、関係者は「障害にかかわらず、多くの人に見て考えてほしい」と訴えている。

 平成23年3月11日午後2時46分、三陸沖を震源として発生した巨大地震で、甚大な被害を出した東日本大震災。映画は、コーヒーをいれ、穏やかな時間を過ごしていた岩手県陸前高田市の作業所が大きな揺れに襲われる場面から始まる。障害者支援の全国組織が救援に乗り出すが、避難所には障害者の姿はほとんどなく、安否確認すら進まない。

 視覚障害、聴覚障害、脳性まひ…。それぞれ障害ゆえに生活に不可欠な要求も「わがまま」とみなされ、避難所から自宅に戻っていた。東京電力の福島第1原発事故で家族が避難した後、避難先で迷惑をかけまいと1人で自宅に残った障害者もいた。映画では、それぞれつらい状態に置かれた人たちの様子が生々しく描かれる。

 東日本大震災による障害者の死亡率は住民全体の約2倍にのぼり、安否確認も実際に進まなかった。映画は、当時を知る被災者の証言に基づいて、全国の共同作業所でつくる「きょうされん」(事務局・東京)が製作。昨年3月以降、全国の福祉団体が中心になり、上映会が続けられてきた。

大阪府吹田市では2月上旬、2度目の上映会が開かれた。中心になった同市の社会福祉法人「さつき福祉会」の支援組織「さつき・くすの木後援会」会長の明石巧一さん(70)は「障害者だけの問題ではない。多くの人に映画を見て、地域での助け合いについて考えてほしくて、もう一度開いた」という。

 会場には約130人が集まり、多くの人が食い入るように映像を見つめた。同市在住で脳性まひのある中尾貴彦さん(44)は「映画で、なかなか報道されない障害者の状況が分かった」。主婦の桜井和子さん(65)は「災害が起こるといわれながら、必要な準備ができていない」と地域の現状を憂え、障害児支援ボランティア、大西佐代子さん(68)は「弱者が大事にされない社会ではみんなが幸せになれない。自分も何か役立つことをしたい」と話した。

 大阪府豊中市の「障害者の豊かな生活をすすめる会」は新型コロナウイルスの感染拡大で今月14日の上映を延期するが、映画会実行委事務局長の西脇大祐さん(31)は「備えの力を高めることはもちろん、障害ゆえにさらされる命の危険があることや、支援における課題、教訓を多くの方に知ってほしい」。状況をみて再度、上映会の日程を決めたいとしている。

 全国の上映会日程はきょうされんのホームページに掲載されているが、中止や延期の可能性があり、主催団体への確認が必要。

きょうされんのホームページ➡ここをクリック

 映画には、被災した岩手県陸前高田市の作業所のメンバーが、亡くなった利用者を悼み、乗り越えようとする印象的なシーンがある。こうした場面に重要な役どころとして登場した大前慧(けい)さん(26)は「たくさんの人に映画を見てほしい」と話す。

 ダウン症のある大前さんは、兵庫県宍粟(しそう)市出身。特別支援学校を卒業後、平成24年に神戸市北区の事業所「ぐりぃと」に就職し、クラウン(道化師)として公演するグループ「土曜日の天使達」のメンバーとして活動を続けてきた。

 「揺れるのは昔から苦手」という大前さん。普段から、仲間と支えあって公演活動を続けており、「地震があってもみんなで一緒に助け合うことを演じたい」と出演を希望した。オーディションを受け、東北弁の練習を重ねて撮影に臨んだ。

 映画の中では、得意の歌も披露した。試写会を見て大きなスクリーンに驚いたが、「また映画に出たい」と夢を膨らませている。



障害者の被災、考える機会に 映画「星に語りて」➡ここをクリック




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Author:gogotamu2019
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