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「ごめんで済むなら○○は…」(2020年3月13日配信『熊本日日新聞』-「新生面」)

 コロナウイルス禍を脇に置けば「春風駘蕩[たいとう]」の心地がする今の時季とは対照的に、検察官は自身の記章を「秋霜烈日」バッジと呼ぶ。秋の冷たい霜と夏の強い日差しを捜査への厳正な姿勢に例えたというが、このところの国会では検察を巡り、その立派な信条とは程遠いやりとりが続いている

▼9日には東京高検検事長の定年延長問題で、森雅子法相が、東京電力福島第1原発事故当時に福島県の検察官が市民より先に逃げた-と答弁。11日にさらにただされ、森氏は「事実」と明言した後に、「個人的見解を述べたのは不適切」と撤回した

▼所管の大臣から逃げたと決めつけられては立つ瀬はないが、熊本の原告らからは、逃げるなとも追及されている。原告の控訴見送りで、特別法廷での審理が憲法違反との熊本地裁判決が確定した「菊池事件」の再審請求である

▼遺族が差別を恐れて踏み切れない中、検察が唯一、裁判のやり直しを求める権限を持つ。最高検は3年前に特別法廷が違法であることを認めて謝罪したものの、違憲は認めず再審請求をかたくなに拒んできた

▼違法どころか最高法規に反した法廷で裁かれ、死刑という取り返しのつかない結末となった事件だ。法の正義を誰より追求すべき検察が、謝罪の言葉だけで一件落着と済ませる話ではあるまい

▼「ごめんで済むなら○○は…」。子ども時代の記憶に残るそしり言葉に似た文句が浮かぶ。「秋霜烈日」の厳しさを今からでも自身に向けることに期待し、あえて○○は書かないでおく。




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