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「手作り布製マスクは丈夫」好評、宮崎の障害者施設に注文相次ぐ(2020年3月20日配信『毎日新聞』)

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休業中の自社レストランホールを使い、分業してマスク作りに励む「あしなが田野」の通所者ら=宮崎市田野町甲のあしなが田野で2020年3月14日午後0時51分

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、宮崎市の障害者就労支援施設「あしなが田野」が、農業用の丈夫な不織布と花束包装用の不織布を組み合わせた特製マスクの製造販売を始めた。周辺農家らの助言を基に開発し、密着度の高さと丈夫さが特徴。予約待ちが出るほど注文が相次いでおり、担当者は製造法を全国の障害者施設に広め「障害者の社会貢献と賃金向上の機会につなげたい」と意気込む。

 同施設は20〜60代の男女10人が通う就労継続支援型の事業所。地元食材を生かしたレストランを2014年に開業したが、19年夏に調理師が退職し、休業。弁当やレトルト食品の製造販売を続けながら再開を目指していた。

 ところが2月以降、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、食品を買いに来る客数が落ち込むなどし、売り上げが減少。苦境に陥った施設代表の一枝優次さん(58)を救ったのが、通所者の加藤美代子さん(49)が手作りした布製マスクだった。

 全国的なマスク不足が続く中、花粉症の加藤さんは器用な手先を生かし、自らミシンでマスクを試作した。完成品を受け取った一枝さんは「立体的で形もいい」と驚き、「レストランホールを工場に変え、マスクを作ろう」と発案。周辺は農業が盛んな地域で、農家から素材などについて助言を受け改良を重ねた。

 完成したマスクは、農業用の丈夫な不織布と目が細かな花束包装用の不織布を計5枚重ねて使用。農業用結束ワイヤを通し、鼻の位置をずれにくくした。耳にかける綿製のひもの長さも調節でき、顔との密着度が高いのが特徴だ。

 レトルト食品製造用の機器を使ってマスクを真空パックにし、112度で30分間滅菌処理して販売。サイズは大人用(縦9センチ、横18センチ)と幼児用(縦8・5センチ、横12・8センチ)があり、1枚450円(税込み)。特注も受け付ける。洗濯機で洗いながら、少なくとも15回は繰り返し使える丈夫さという。

 加藤さんは4年前、全身に痛みを感じる線維筋痛症を発症。一時は「もう何もできない」と悩んだが、マスクの予想以上の反響に「痛みを忘れるほどのやりがいを感じる」と話す。多くの通所者もやりがいを感じているという。

 現在、ミシン持参で縫製作業を手伝う内職者や共に生産する障害者施設を募集中。一枝さんは、製造手順を全国の障害者施設に広めたいと話し「障害者施設は賃金が安く、不況の波を受けやすい。マスク製造を通し、社会とつながる機会になれば」と話す。

 問い合わせは、あしなが田野のホームページで。

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