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同性カップルの権利 守るための仕組み作りを(2020年3月22日配信『毎日新聞』-「社説」)

 同性カップルの権利を守るための議論が、新たな段階を迎えている。

 東京高裁が同性カップルにも事実婚(内縁)が成立し、法的に権利が保護されるとの判決を出した。高裁段階では初の司法判断という。

 原告の女性がパートナーの女性に不貞行為の慰謝料を求めた訴訟だった。判決は、2人が長年同居し、結婚式を行い、子育てを計画していたことから婚姻に準ずる関係と認め、パートナーに支払いを命じた。

 異性間の場合、婚姻届を出さない内縁でも、法律婚に近い権利が保障されている。規定する法律はなく、司法判断の積み重ねによる結果だ。

 2人が協力して生活し、助け合う義務が生じる一方、離縁時には財産分与ができる。社会保険の制度も法律婚と同様に適用される。

 今回の判決は保護される権利に、不貞行為など「少なくとも不法行為に関して」と注釈をつけた。とはいえ、同性カップルにも内縁関係が当てはまると判断した意義は大きい。

 民法や戸籍法が、結婚する2人を「夫婦」としているため、同性カップルは婚姻届が受理されない。住宅の入居、生命保険の契約といった場面で不当な扱いを受けてきた。

 東京都渋谷区が2015年、同性カップルの関係を公的に証明する「パートナーシップ制度」を始めた。法的な拘束力はないが、今年1月時点で34の自治体が導入した。

 企業でも異性間の結婚と同様に扱ってサービスを展開したり、社内の福利厚生を適用したりするところが増えている。既に同性カップルは、社会的に受け入れられつつある。

 判決はこうした流れを踏まえた判断だ。しかし、内縁では認められない権利もある。パートナーの法定相続人になれず、共同で親権は持てない。所得税の配偶者控除もない。

 政府は同性婚について、憲法が想定しておらず、極めて慎重な検討が必要との立場だ。立憲民主党などが昨年、同性婚を認める民法改正案を提出したが、議論は進んでいない。

 ただ、今回の訴訟では地裁支部判決が、憲法の規定は同性婚を否定するものではないとの見方を示した。

 世界では欧米や台湾など27カ国・地域が同性婚を認めている。日本でも家族の形は多様化している。現状に合った法制度を検討すべきだ。




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