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鹿児島県議会、手話言語条例を可決(2020年3月25日配信『南日本新聞』)

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手話言語条例案の提案理由説明後、賛同の拍手を手話でする議員=鹿児島県議会

 鹿児島県議会は24日の本会議で、手話の普及と理解促進を図る「手話言語条例案」を議員発議で上程、全会一致で可決した。2020年度一般会計当初予算(総額8398億5300万円)、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急対策費10億1100万円を盛り込んだ補正予算など45議案も可決した。

 手話言語条例は、手話を独自の言語として認め、習得の機会や使用環境を整備するため県の責務や市町村との連携の必要性を明文化した。3月中に公布・施行する。

「言語としての手話の認識の普及及び手話を使用しやすい環境の整備に関するかごしま県民条例」が制定されました(令和2年3月=鹿児島県

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 県議会では,手話の普及等に関する基本理念や,県の責務等及び県民等の役割,施策の総合的かつ計画的な推進に必要な基本的事項を定めた「言語としての手話の認識の普及及び手話を使用しやすい環境の整備に関するかごしま県民条例」(通称:かごしま県民手話言語条例)を第1回定例会に議員提案し,令和2年3月24日の本会議で原案のとおり可決されました。
 また,同日,条例案可決後に,鹿児島県聴覚障害者協会をはじめ,全日本ろうあ連盟など県内外の関係団体の方々と,条例制定後の手話の普及等に向けて,意見交換を行いました。県民の皆様におかれましては,条例の趣旨を御理解いただき,言語としての手話の普及に御協力いただきますようお願いいたします。


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言語としての手話の認識の普及及び手話を使用しやすい環境の整備 に関するかごしま県民条例

目次
前文
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 手話の普及等(第7条―第16条)
第3章 鹿児島県手話施策推進協議会(第17条)
附則

 手話は,音声言語とは異なる語彙や文法体系を有し,手や指,体の動きや表情などにより視覚的に表現される独自の言語である。
鹿児島県では,明治33年に盲唖者教育のための私立学校が創立され,明治35年に「聾唖 教授手話法」を発行し,専ら手話法によるろう教育を行うなど,手話は,ろう者の言語として使用されていた。
 一方で,手話は,法的に言語として認められておらず,昭和初期には,口話法によるろう教育への切替えがなされるなど,社会的にも制度的にも手話を習得し,使用することが 制約された時代が長く存在している。
 こうした中にあっても,手話は,ろう者をはじめとする関係する多くの人々の間で大切 に受け継がれ発展してきた。平成18年に,国際連合総会で採択された障害者の権利に関する条約において,手話は言語であると定義され,言語として国際的に認知され,平成23年に改正された障害者基本法では,手話が言語に含まれること,すなわち,手話が言語であることが法的に認められた。
 また,ろう者が意思疎通の手段として手話を選択し,手話によって情報を取得する機会の 確保やその拡大が明確化された。
 平成26年には,障害者の権利に関する条約が批准され,手話が言語であるとの位置付けは,制度的には確立された。
 しかしながら,ろう者にとって音声言語である日本語の習得は容易ではなく筆談等では意思疎通が図れないことがあることや手話が日本語とは異なる独自の言語であることについて,県民の理解はいまだ十分に深まっているとは言い難く,ろう者は社会生活上の生きづらさを抱えている。
 このような中,鹿児島県では,平成11年に「鹿児島県福祉のまちづくり条例」を制定し,全ての県民が,障害者等について理解を深め,障害者等があらゆる分野の活動に主体的かつ自主的に参加できる環境づくりを推進している。
 また,平成26年に「障害のある人もない人も共に生きる鹿児島づくり条例」を制定し,県民の障害に対する理解を深め,障害を理由とする差別の解消に取り組んできているところである。
 このような背景を踏まえ,言語としての手話の認識の普及及びろう者の手話の習得の機会の確保その他の手話を使用しやすい環境の整備を図り,ろう者である県民とろう者以外の県民が,相互に人格と個性を尊重し合いながら共生することのできる地域社会を実現するため,この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)
第1条 この条例は,手話が言語であるとの認識に基づき,言語としての手話の認識の普及及び手話の習得の機会の確保その他の手話を使用しやすい環境の整備(以下「手話の 普及等」という。) に関する基本理念を定め,県の責務等並びに県民,ろう者(聴覚障 害者のうち,手話を言語として日常生活又は社会生活を営む者をいう。以下同じ。),手話通訳を行う者及び事業者その他の関係者(以下「県民等」という。)の役割を明らかにするとともに,手話の普及等に関する施策の総合的かつ計画的な推進に必要な基本事項を定めることにより,手話の普及等に関する施策を推進し,もってろう者とろう者 以外の者が,相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(基本理念)
第2条 手話の普及等は,手話が,独自の体系を有する言語であって,ろう者が知的で心 豊かな日常生活又は社会生活を営むために大切に受け継いできた文化的所産であるとともに,ろう者が情報を取得し,その意思を表示し,又は他人との意思疎通を図る手段として必要な言語であるという認識の下に推進されなければならない。

(県の責務)
第3条 県は,前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。) にのっとり,手話の普及等に関する施策を総合的かつ計画的に推進するものとする。
2 県は,手話の普及等に関する施策の推進に当たっては,ろう者が日常生活又は社会生 活を営む上で障壁となるような社会における事物,制度,慣行,観念その他一切のもの の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするものとする。

(市町村等との連携及び協力等)
第4条 県は,手話の普及等に関する施策の推進に当たっては,市町村その他の関係機関 及び関係団体(以下「市町村等」という。) 並びに県民等と連携し,及び協力するもの とする。
2 県は,手話の普及等に果たす市町村の役割の重要性に鑑み,市町村が手話の普及等に関する施策を実施しようとするときは,市町村に対して情報の提供,技術的な助言その 他必要な支援を行うものとする。

(県民等の役割)
第5条 県民等は,基本理念にのっとり,手話に対する理解を深め,県及び市町村が行う 手話の普及等に関する施策に協力するよう努めるものとする。
2 ろう者は,基本理念に対する県民の理解の促進に努めるものとする。
3 手話通訳を行う者は,手話通訳に関する知識及び技能の向上並びに基本理念に対する県民の理解の促進に努めるものとする。
4 事業者は,ろう者に対しサ―ビスを提供するとき,又はろう者を雇用するときは,手話の使用に関して必要かつ合理的な配慮をするよう努めるものとする。

(手話の普及等に関する施策を推進する上での配慮)
第6条 県は,手話の普及等に関する施策の推進に当たっては,交通条件及び自然的,経済的,文化的諸条件に恵まれない山間地,離島その他の地域に十分配慮するものとする。

第2章 手話の普及等

(施策の策定及び推進)
第7条 県は,障害者基本法(昭和45年法律第84号)第11条第2項に規定する障害者のための施策に関する基本的な計画において,手話の普及等に関する施策を策定し,及びこれを総合的かつ計画的に推進するものとする。
2 鹿児島県障害者施策推進協議会条例(昭和49年鹿児島県条例第21号)第1条の鹿児島 県障害者施策推進協議会(以下「障害者施策推進協議会」という。)は,県が前項の規定により手話の普及等に関する施策を策定しようとするときに,県から障害者基本法第 11条第5項の規定により意見を聴かれた場合において,その意見を定めようとするときは,あらかじめ,第17条第1項の鹿児島県手話施策推進協議会の意見を聴かなければならない。
3 前項の規定は,第1項に規定する施策の変更について準用する。
4 知事は,毎年度,第1項に規定する施策の前年度の実施状況について,県議会に報告し,これを公表するものとする。
5 県は,第1項に規定する施策について,必要に応じて見直しを行うものとする。

(手話を習得するための支援体制の整備)
第8条 県は,市町村等と連携し,聴覚障害者が乳幼児期からその家族その他の関係者とともに手話を習得することができるよう,手話に関する情報の提供及び相談,手話に接 する機会の確保その他手話を習得するために必要な支援を行う体制の整備を図るものとする。

(手話を学ぶ機会の確保等)
第9条 県は,市町村等並びにろう者及び手話通訳を行う者と協力して,県民が手話を学ぶ機会の確保を図るものとする。
2 県は,手話の普及等に関する施策を推進するため,その職員が手話を学ぶ機会の確保を図るものとする。

(手話を用いた情報発信等)
第10条 県は,ろう者が県政に関する情報を円滑に取得できるよう,手話を用いた情報発信に努めるものとする。
2 県は,災害その他非常の事態の場合に,ろう者が手話によりその安全を確保するため に必要な情報を取得することができるよう,市町村に対して情報の提供,技術的な助言 その他必要な支援を行うものとする。

(手話通訳を行う人材の育成等)
第11条 県は,手話通訳を行う者の確保,能力及び資質の向上並びに処遇の改善が図られるよう,手話通訳を行う者及びその指導者の養成その他の必要な施策を実施するものとする。
2 県は,市町村と連携して,ろう者が手話通訳を行う者の派遣等による意思疎通の支援を適切に受けることができる体制の整備及び拡充に努めるものとする。

(学校における取組の推進)
第12条 ろう者である幼児,児童又は生徒(以下「ろう児等」という。)が通学する学校の設置者は,ろう児等が手話を学び,又は手話で学ぶことができるよう,教職員の手話に関する知識及び技能を向上させるために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 ろう児等が通学する学校の設置者は,ろう児等及びその保護者等に対し,手話を学ぶ機会を提供するとともに,ろう児等及びその保護者等の手話に関する教育に係る相談及び支援に努めるものとする。

(観光旅行者等への対応)
第13条 県は,ろう者である観光旅行者その他の滞在者が安心して県内に滞在することができるよう,手話の普及等に努めるものとする。

(事業者への支援)
第14条 県は,第5条第4項の規定により手話の使用に関して必要かつ合理的な配慮を行事業者に対して,情報の提供,助言その他の必要な支援を行うものとする。

(手話に関する調査研究)
第15条 県は,ろう者及び手話に関わる者が手話の発展に資するために行う手話に関する調査研究の推進及びその成果の普及に協力するものとする。

(財政上の措置)
第16条 県は,手話の普及等に関する施策を推進するため,必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

第3章 鹿児島県手話施策推進協議会

(手話施策推進協議会)
第17条 次に掲げる事務を行わせるため,鹿児島県手話施策推進協議会(以下「協議会」という。)を設置する。
(1)第7条第2項の規定により,障害者施策推進協議会に意見を述べること。
(2)この条例の施行に関する重要事項について,知事に意見を述べること。
2 この条例に定めるもののほか,協議会に関して必要な事項は,知事が別に定める。

附 則 この条例は,公布の日から施行する。ただし,第7条第4項の規定は,令和3年4月1日から施行する。



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