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「同一労働・賃金」機に透明な賃金制度に(2020年3月29日配信『日本経済新聞』-「社説」)

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[同一労働同一賃金」の制度は非正規社員の処遇改善を後押しする(スーパーで働くパート従業員)
 
 非正規社員の処遇を改善するため、正社員との不合理な待遇の格差を禁じる「同一労働同一賃金」の制度が4月から始まる。企業が公正で透明性の高い賃金決定の仕組みをつくる契機としたい。

 新制度は基本給、賞与、各種手当などの賃金項目ごとに、正社員と非正規社員の不合理な待遇の差の是正を求める。職務の内容が同じなら、雇用形態にかかわらず待遇も同じにする必要があるというのが基本的な考え方だ。2020年4月から大企業に、21年4月からは中小企業にも適用される。

 日本のパート労働者の賃金は正社員を中心としたフルタイム労働者の6割にとどまり、8~9割の欧州と比べ差が大きいとされる。新制度は国際的にみて低い日本の非正規社員の賃金水準の引き上げを後押ししよう。

 すでに企業の間では、手当の見直しが進み始めている。子育て世代への手当の支給対象を契約社員へも広げるなどの動きがある。正社員だけに支給している理由が説明できない手当は、廃止した方がいい場合もあるだろう。

 問われるのは基本給や賞与の決め方だ。厚生労働省の指針では、正社員とパート、契約社員とで能力、経験や成果などが異なれば、基本給に差を設けることが認められる。賞与も会社業績への貢献度などに応じて額を決められる。

 しかし、具体的にどんな基準で能力や貢献度の違いを判断し、支給額にどのように差をつけていいかは判然としない。

 混乱を防ぐためにも企業に求められるのは、正規、非正規を問わず職務ごとに対価を明確にし、成果の報酬算定ルールも定めた透明性の高い賃金制度づくりである。

 非正規社員の処遇改善は仕事に必要なスキル(技能)を自助努力で高め、賃金の引き上げを積み重ねていくことが本筋だ。能力開発への意欲を引き出し、併せて正社員も活性化するために、職務と成果を軸にした賃金制度が要る。

 非正規社員の処遇改善は企業の人件費増につながる。新型コロナウイルスの感染拡大の収束はまだ見通せず、経営が圧迫されるのを嫌った非正規雇用の削減が広がる懸念もある。

 だが、人口減少が進むなかでは一人ひとりの人材がより貴重になる。賃金制度改革を通じて企業全体の生産性を引き上げ、コスト増を補って余りある効果を出すことを考えるべきだ。





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Author:gogotamu2019
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