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冤(2020年3月31日配信『中日新聞』-「夕刊」-「夕歩道」)

 冤罪(えんざい)の冤の字は「冂(けい)」と「兎(うさぎ)」から成る。白川静博士の解説によれば、兎が冂(境界)に捕らえられたさまを示す。脱出するものを「逸」というのに対し、遮られて脱出しえないことを「冤」と。

 無実の罪で捕らわれている人を「冤囚(えんしゅう)」、無実の罪に陥ることを「冤獄(えんごく)」、無実の罪で苦しめられることを「冤酷(えんこく)」…。「冤」を巡る熟語の多さは、即(すなわ)ち人の世が経験してきた冤罪の多さを示す。

 教訓は生かされているか。不当逮捕から16年。理不尽な「冂」は、ようやく取り払われた。「雪冤(せつえん)」は、無実の罪を雪(そそ)ぐことをいう。取り戻すことのできぬ時間の長さに絶句する。繰り返すな。



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