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NHK経営委 公共放送ゆがめている(2020年4月2日配信『中国新聞』-「社説」)

 NHKの2020年度予算が国会で承認された。おとといの参院本会議では、日本維新の会と共産党、NHKから国民を守る党が反対し、4年ぶりに全会一致の承認とならなかった。

 問題視されているのは、報道内容に対するNHK経営委員会の介入だ。かんぽの不正販売問題に関する報道番組を巡って、日本郵政グループの意向を受けた経営委が、当時のNHK会長に厳重注意するなどしていた。経営委は最高意思決定機関ではあるが個別の番組に介入することは放送法で禁じられている。

 本会議に先立つ参院総務委員会でも、経営委の介入について総括と反省などを求める付帯決議が採択されている。

 介入は公共放送を自認するNHKの報道をゆがめるものだ。どのようなやりとりがあったのかを検証するためにも、経営委は問題があった会合の議事録を公開すべきである。

 かんぽ生命保険の不正販売問題を告発した18年4月の番組に対し、圧力が加えられていた。郵政からの抗議を受けた経営委が、同年10月23日に非公開の会合を開いて、当時の上田良一会長を厳重注意した。NHKは続編を準備していたが、とりやめている。

 この経緯が問題化したため、経営委は先月になって、議事の概要を公表した。それによると委員側が「(番組の)作り方に問題があるのではないか」などと発言していたことが分かる。その後、上田氏に対し、当時の石原進経営委員長が「必要な措置を講ずるよう厳しく伝え、注意する」と言い渡している。

 こういった厳重注意や委員の発言が、かんぽを告発する番組や続編の扱いを含め、報道内容に圧力をかける意図だったのは明白だろう。放送法に違反するのは間違いない。

 経営委は詳細な議事録については公表しないという。真相を究明せず、うやむやにしようとする、信じ難い対応だ。

 31日の参院総務委員会では議事概要に記されていないやりとりが判明した。経営委から「厳重注意」を受けた上田氏が、この経緯が表に出てしまえば「NHKは存亡の危機に立たされることになりかねない」と発言し、強く抵抗したという。議員の質問に経営委の森下俊三・現委員長が認めた。

 上田氏は、経営委の厳重注意などが放送法に抵触することを懸念したのではないか。公共放送の報道内容がゆがめられていることを認識し、危機感を抱いていたに違いない。

 経営委がいまだ非公表とする議事録を公開させるとともに、上田氏を国会に参考人招致するなどして解明してもらいたい。

 20年度予算が承認されたおととい、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は、18年11月のNHKのドキュメンタリー番組で、出演者3人が用意されたスタッフだった問題に、放送倫理違反があったとする意見を発表している。

 今、NHKの番組や報道姿勢は視聴者の信頼を失いつつあるのではないか。

 きのうNHKは地上放送のテレビ番組をインターネットで同時に配信する常時同時配信を始めた。公共メディアとして幅広い発信をするのだろう。ならばいま一度、使命を自覚し、原点に立ち返る必要がある。




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