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同一労働同一賃金 不当な格差は許されない(2020年4月2日配信『徳島新聞』-「社説」)

 正社員か非正規社員かに関係なく、同じ仕事をしていれば同じ給料がもらえる。そうした「同一労働同一賃金」制度がきのう、大企業に導入された。来年4月からは中小企業にも適用される。

 昨年施行された「働き方改革関連法」の一環で、基本給や賞与、手当など、すべての待遇について不合理な格差を禁止するものだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大で景気の先行きは不透明になっているが、労働者の4割近くを占める非正規の待遇改善は、働く意欲と生産性を高め、経済の底上げにもつながる。

 中小の対応にも影響を与えるだけに、先行する大企業は格差是正の実効が上がるようしっかりと取り組んでもらいたい。

 格差是正の対象となるのはパート、アルバイト、契約社員など短時間勤務や有期契約の労働者と、派遣社員だ。

 共同通信社が全国の主要企業110社に行った調査では、72%に当たる79社が、制度の導入によって非正規の待遇改善が進むと回答した。

 しかし、見直す項目は休暇や手当、福利厚生が中心で、基本給を挙げたのは14社、賞与は21社とわずかだった。「取り掛かりやすいところから」ということだろうが、本丸の給与に手を付けなければ格差是正はおぼつかない。

 基本給については、厚生労働省がガイドラインで、能力や経験、業績などが同じなら、正社員と同一の支給をしなければならないとしている。

 一方、「一定の相違がある場合、それに応じて支給」すると違いを容認し、賞与についても、貢献度に一定の相違がある場合は差を認めた。

 問題は、能力や業績をどう判断するかである。

 正社員との間に差がある場合、企業は理由を説明するよう義務付けられる。違反しても罰則はないが、曖昧な評価で不当な格差を放置すれば企業の社会的信用に響こう。

 単に「仕事の中身が違うから給与に差があっても不合理ではない」というのも通るまい。明確に説明できる基準を各企業が設けるとともに、厚労省も客観的な指標を示すべきである。

 非正規の待遇改善により、人件費が増加するのは避けられない。だが、それを理由に雇い止めや派遣切りをすることがあってはならない。非正規と均衡を図るため、正社員の労働条件を引き下げるのも本末転倒である。

 低賃金で不安定な働き方の広がりは、深刻さを増す少子化の要因ともなっている。格差を是正するのは企業の務めだ。




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Author:gogotamu2019
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