FC2ブログ

記事一覧

レジ袋禁止初の条例(2020年4月4日配信『福井新聞』-「論説」)

プラごみ削減への先駆け

 小売店などでのプラスチック製レジ袋の提供を禁止する全国初の条例案が京都府亀岡市議会で可決、成立した。来年1月に施行され、同6月からは違反した場合に事業者名が公表される。レジ袋をめぐっては、今年7月から国が全小売店に有料化を義務付けるが、さらに踏み込んだ内容だ。市民の反応など今後の推移に注目したい。

 亀岡市では観光資源である保津川渓谷に大量のプラごみが漂着、市民らが清掃してもきれいにならず、対策の必要性が認識された。2018年「かめおかプラスチックごみゼロ宣言」を行い、30年までに実現する目標を掲げ、市民説明会や市議会で協議を重ねてきた。

 条例はスーパーやコンビニなど全事業者が対象で、商品を運搬するためのプラ製のレジ袋は有償無償を問わず提供を禁じ、紙袋や微生物によって分解される生分解性の袋は有料化を義務付ける。市の是正勧告に従わない場合、違反店舗については事業者名を公表できるとした。店舗を利用する市民や観光客にはエコバッグ持参などで協力を求める。

 レジ袋禁止について市民の間には「保津川を守り、海洋汚染解決に必要」と賛同の声がある一方、事業者らから周知不足の批判や懸念が相次ぎ、当初案より施行日を先延ばしした。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を念頭に、施行が適当でないときには延期も含め検討すると付帯決議に盛り込んだ。

 プラスチックによる河川や海洋の汚染は亀岡だけでなく、地球全体の未来に関わる深刻な問題だ。世界のプラスチック生産量は年間約4億トンに達し、生産が本格化した1950年代に比べ200倍に増えている。毎年800万トン以上のプラごみが海に流出し、このままのペースで増え続けると2050年には魚の量を超えるとまで予測されている。

 プラごみは紫外線や波の力で劣化、細分化し、5ミリ以下となったマイクロプラスチックは海鳥や魚が餌と間違え飲み込んだり、知らず知らずに体内に取り込んでいる。魚などを食べる人間の便からも見つかり、健康被害が懸念されている。

 この問題の解決には国レベルでの施策や連携のほか、自治体や企業、市民の理解や協力が欠かせない。亀岡は環境保全と地域経済の活性化に一体的に取り組む「環境先進都市」の実現や、豊かな自然環境を生かした地域ブランドの確立を目指している。条例はその推進力となろう。

 ただ、実際に条例が施行されると、さまざまな課題が浮上するかもしれない。市は事業者や消費者への支援策も検討し、効果を検証するための調査も実施する。全国の一歩先を歩む亀岡の取り組みを見守りたい。






スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ