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改正健康増進法 受動喫煙防止さらに前へ(2020年4月5日配信『新潟日報』-「社説」)

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、喫煙が健康にもたらす悪影響について懸念の声が高まっている。

 他人の煙を吸い込む受動喫煙防止を徹底し、健康増進への歩みをさらに前へ進めたい。

 屋内を広く禁煙とする改正健康増進法が、4月から全面施行された。昨年7月に一部施行され、病院や学校、県庁といった行政機関などの敷地内は原則禁煙となっていた。

 規制の対象が広がった今回は、全国の飲食店やオフィス、公共交通機関など不特定多数の人が利用する施設が原則屋内禁煙となった。改正法では、悪質な違反者には罰則が科される。

 最も受動喫煙しやすいとされる飲食店で取り組みが進むことで、屋内の禁煙化に一層弾みがつくことを期待したい。

 ただし、法律には「骨抜き」との批判がある。

 経過措置として、資本金が5千万円以下で客席面積が100平方メートル以下の既存の小規模飲食店は当面、「喫煙可」などの標識を掲示すれば喫煙が認められるためだ。

 厚生労働省の推計では、経過措置の対象となる店舗は、飲食店全体の55%程度という。

 改正法では加熱式たばこは、加熱式専用の喫煙室で飲食などしながらの喫煙も可能で、紙巻きたばこよりも規制が緩くなっている。

 同じく今月施行された東京都の受動喫煙防止条例は、より厳しい内容だ。飲食店は面積にかかわらず、従業員のいる店は原則禁煙とした。加熱式を含む。

 改正法全面施行後も対策の実効性を見極め、規制の在り方を見直していく必要があろう。

 改正法や都の条例は「煙のない五輪」を目指して準備を進めてきた。東京五輪・パラリンピックは1年延期になったとはいえ、諸外国に対し胸を張れるよう、早期に実効性を持たせなければならない。

 喫煙についてはがんなどのリスクを高めることが知られ、世界保健機関(WHO)は肺炎の重症化リスクについても警鐘を鳴らす。新型ウイルスの感染拡大で、その怖さを思い知らされる出来事があった。

 3月末、感染確認から6日という短い期間で、タレントの志村けんさんが肺炎で急逝、社会に大きな衝撃を与えた。

 志村さんはかつて愛煙家で、たばこの害に詳しい医師は「ヘビースモーカーだったことが急速な悪化を後押しした可能性がある」と指摘した。

 受動喫煙防止の徹底には、国や自治体などが担う啓発活動の役割も重い。吸う人の意識改革が不十分な面も目立つからだ。

 公共施設の敷地内が原則禁煙となって以降、喫煙者が屋外の公園などに移動して吸い、住民から苦情が出た事例があった。県内では禁煙区域と明示された繁華街の路上で吸っているケースも見受けられる。

 たばこによる健康被害を広めないために、受動喫煙を防ぐ。その強い意識を社会全体で共有したい。




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Author:gogotamu2019
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