FC2ブログ

記事一覧

「同一賃金」始動 実効性ある待遇改善を(2020年4月11日配信『北海道新聞』-「社説」)

 働き方改革関連法に基づき、大企業の正社員と非正規社員の不合理な待遇格差をなくす「同一労働同一賃金」や、中小企業を対象とした時間外労働(残業)の罰則付き上限規制が今月から始まった。

 同一労働同一賃金は、仕事の内容が同じで能力や成果も同じなら、正社員、非正規社員にかかわらず、賃金や交通費などの手当、休暇を同じ水準にする制度だ。

 これまで当たり前のことがなされてこなかったこと自体がおかしかった。非正規を安価な雇用の調整弁として扱ってきた政府と経済界の責任は極めて重い。

 改善の本丸は本給や賞与、退職金だが、手当などにとどまる企業が多そうだ。これでは「同一労働同一手当」ではないか。

 特に大企業は非正規社員の待遇改善を確実に進める責務がある。政府も実効性のある支援策を打ち出し、後押しせねばならない。

 北海道労働局によると、2018年の道内の非正規社員は89万人と、全労働者の4割弱を占める。

 内閣府の資料では、16年度の正社員と非正規社員の年収差は1・8倍に上る。これでは安心して子どもを産み育てることも老後を迎えることもできない。

 共同通信の調査では主要110社の7割が待遇改善が進むとしたが、本給見直しは14社、賞与は21社、退職金は6社にとどまる。罰則がないための弊害ではないか。

 待遇差のない職場は働く人のやる気につながり、優秀な人材も集まる。大企業は積極的に是正に努め、来春導入される中小企業の範となるべきだ。

 残業規制は、大企業は昨年4月に始まっており、中小企業は1年遅れでのスタートとなった。

 単月100時間未満、2~6カ月で月平均80時間以内、年720時間以内―の全てを満たす必要があり、違反者は罰せられる。

 だが、前述の共同通信の調査では、4割強の大企業は前年と残業時間が変わらなかったり、増えた例さえあった。中小企業は人手不足が深刻で、業績に対する影響を心配する経営者も多かろう。

 とはいえ、残業規制は厚生労働省が定める過労死ラインとほぼ同水準だ。今も過労死が後を絶たず、さらなる規制強化が求められている。働く人の命を守るため、創意工夫で実現する必要がある。

 懸念されるのは新型コロナウイルスの影響で解雇や雇い止めが相次いでいることだ。誰もが生きやすい社会を築くため、企業には雇用の維持に努めてもらいたい。




スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ