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外出自粛とDV・虐待 高まるリスク見逃さずに(2020年4月22日配信『毎日新聞』-「社説」)

 新型コロナウイルスの感染防止のために外出の自粛が求められ、配偶者らによる暴力(DV)や児童虐待の増加が懸念されている。

 家庭内の暴力は、目が届きにくい。深刻化させないための取り組みが今こそ必要だ。

 休業、在宅勤務、学校休校で家族が一緒にいる時間が長くなる。終わりが見えず、行動を制約されるストレス、収入減少の不安が募る。はけ口としての暴力が立場の弱い妻や子どもに向きかねない。

 海外では既にDVが増加している。フランスでは外出が規制されてから1週間で、通報が3割増えた。国連のグテレス事務総長は世界的な急増に警鐘を鳴らした。

 DV被害者を支援するNPO法人によると、日本でも在宅勤務となった夫から妻への暴力や、DVを受けた妻による子どもへの暴力などの相談が寄せられている。

 加害者が家にいる状況では助けを求めづらい。実際に、DVの相談に応じてきた被害者からの連絡が途絶えたケースもあるという。孤立させない対策が急務となる。

 内閣府は緊急対策として、深夜・休日に対応する窓口を設置し、インターネットを通じた相談も受け付けると発表した。相談の機会を増やすのは適切だろう。

 各地の相談窓口は感染防止措置として、面談を中止しているところが多い。継続的に支援できるような工夫を考えてほしい。

 緊急時の避難場所の確保も欠かせない。婦人相談所だけでなく、民間のシェルターを公的負担で活用できる体制を整備したい。

 住民票をそのままにして避難している母子も少なくない。現金給付などの国や自治体の支援がきちんと届くよう配慮が求められる。

 一方、児童虐待は学校が子どもの様子を確認できない長期休暇に起こりやすいといわれてきた。既に休校が長期化した地域も多い。教員らが定期的に家庭と連絡を取ったり、必要に応じ訪問したりして兆候を把握することが大切だ。

 学校と自治体、児童相談所の連携も強めなければならない。子どもたちと普段接してきた地域の人々の協力も不可欠になる。

 外部との人間関係が薄れると、家庭内の問題が外からは気づきにくくなる。見逃さない仕組みをつくる必要がある。




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Author:gogotamu2019
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