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外出自粛とDV 相談と避難先を拡充せよ(2020年4月26日配信『産経新聞』-「主張」)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が出された後、一家全員が家にいるという世帯も多いだろう。仕事が減り、先行きに不安が募る。そんな中で家族が一日中、顔を合わせていると、ストレスがたまるのも不思議ではない。

 だからといって、そのはけ口に家庭内の弱い者を虐待したり、暴力をふるったりすることなど言語道断だ。

 家庭内で解決できないケースに対応するには、ストレスやSOSを受け止める相談態勢を整え、緊急避難場所を拡充することが欠かせない。政府はその取り組みを強めるべきである。

 すでに、虐待や家庭内暴力(DV)が増えていると認識する必要がある。支援団体には「在宅勤務でストレスのたまった夫が暴力を振るう」「母子で家を出ようとしたが、夫がいるので出られない」などの声が寄せられている。

 新型ウイルス対策が先行した札幌市では3月、児童相談所に前年同月比1・5倍の虐待通報があった。小中高校が休校になり、外出自粛が要請された全国のどこでも、同様の事態になっていると考えるべきだ。

 海外の危機感は強い。英国やフランスでも虐待増加が報告されている。イタリアは緊急避難先である「シェルター」不足に備えホテルや空き住宅の確保に動いた。遅れれば命にかかわる。日本も早急に手を打たなくてはならない。


 被害者を支える活動はNPO法人などが担ってきたが、感染防止のため対面相談を中止したり、相談業務を縮小したりするところもある。支援団体からは、国による相談業務の充実や、シェルターの整備を求める声がある。政府は全力で応えるべきである。

 緊急経済対策で政府が電話相談を新設することが決まった。ただ、同じ屋根の下に暴力をふるうパートナーがいれば、電話をかけづらいかもしれない。電子メールや会員制交流サイト(SNS)の活用と拡充が急務である。

 厚生労働省は全国の自治体に対して虐待の可能性のある子供の状況を把握するよう求めた。児童相談所、学校などとも連携し、危機感をもって対処したい。

 被害者の友人や近隣住民の存在も大きい。電話をかけたり、悩みを聞いたりすることも力となろう。心の窓を開け、耳を澄ませてSOSの声に気づきたい。




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Author:gogotamu2019
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